見えないものの力
2017年 07月 16日
ギャラリーに首を突っ込んだ数年前、工芸とか、アートって、とても素敵だけど、無くなっても生きてゆく上で困らないんだよなあ、なんてちょっと思っていた。なのに、どうしてアートのことををやりたいのか?自分の中で答えが出せずにいた。一部の好きな人だけの世界…なのかなあ?でも、その世界に関わるほど、何かちょっと違う…との想いが湧いてくる。目に見えない心の領域は果てしないけれど、多くの人は何らかの感情と共に生きている。そして、アートの世界は、その感情を動かす。心が動くと、私たちは生きている自分を実感出来る。悲しい、嬉しい、怒り、楽しい、安心、勇気、いろんな感情を感じて、生きている自分を愛しんでいる。そこを意識していないのだけれど…物質だけでは、満たされるようで、満たされない。
五感を刺激する!心が震える、喜ぶ。生きていることを感じる。展示、ワークショップ、アートを様々な面から提供して、受け取る、内面から表現する、より多くの人の心に響く場を提供し、私たちの日常の、暮らしの中でしっかりと感じられたら素敵だな、と、今は思っている。
アートセラピーもその一つ。アートワークを通して、心の中が現れることもある。個人セッションも、集団で体験することも、それぞれに異なる体験となる。写真は、リンパ浮腫専門の治療院でのイベントの参加者のコラージュ作品。参加者のコミュニケーションを目的に、選ぶことを楽しみながら制作。それぞれの人がとても素敵な関わりをした優しく笑いの溢れた温かな時間だった。小さな出来事も、その時のその人に、大切なものを残している。じんわり広がる感覚は、確実に自分のものだ。
6月はイベントが続いた。勉強も続いている中、ありがたいことにデザインの仕事も大小様々な案件があった。たくさんのことを同時進行させていると、自分の中で、これのこの部分が楽しい、とか、ここが魅力、とか、これにこれを取り入れてみよう、とか、お金はどう流れているんだっけ?、とか、考えることでいっぱいになる。その中から、見えてくるもの。それを信じて進んでゆこう。